スズキ・エブリィの弱点の一つが「リア・スライドドアのアウターハンドルの破損」。アウターハンドルとは、ドアを開ける”取っ手(ノブ)”のこと。
スライド・ドアは非常に重く、開閉時にアウターハンドルに負担がかかります。結果、経年劣化もともなって、アウターハンドルは破損してしまいます。
今回、僕がアウターハンドルを交換したエブリィワゴンの型式は、DA52W。この車以外をお持ちの方も、基本的に構造は同じようなものなので、交換の参考になるかと思います。
アウターハンドルは、なぜ動かなくなるのか?
”アウターハンドルの動きが悪くなる”という初期症状をへて、開いた状態から元に戻らなくなります。
原因は、内部で”部品の一部”が破損したから。その破損部品が内部でひっかかり、アウターハンドルの戻りを邪魔します。
そして、この破損部品は、アウターハンドルを外さないと取り除けません。こうなってしまったら、どうしようもないので、取り外し・交換が必要になります。
アウターハンドルの取り外し・交換手順
アウターハンドルの交換は、スライドドアの内張りを外しておこないます。
- リア・スライドドア(交換する側)のウインドウを下げる
- 車のキー(鍵)を抜く
- インナーハンドルを外す
- 内張りを外す
- アウターハンドルを外す
- 交換して、元に戻す
取り外しに使った工具類
- プラスドライバー(中型程度の大きさ)
- 差し金
- マイナスドライバー
- タオル・ウエス
- 10mmのスパナ
- ラチェット
新旧のアウターハンドルを比較
交換方法を解説するまえに、”新品”と”交換品(今まで付いていたもの)”を比較したいと思います。
新品のアウターハンドル
僕は、当初、ヤフーオークションで安く落札して、それを取り付けようと考えていました。ヤフオクの価格の相場は、送料込みで2,500円〜4,500円程度です。
新品の価格も知りたかったので、スズキのディーラーに行き、確認をとってみると、5,562円(税込)。ちなみに製品名は「リヤドアアウタハンドル、ライト(型番:82830-77A01-[カラー番号])」。
中古(ヤフオク) | 2,500円〜4,500円 |
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新品 | 5,562円 |
あなたなら、どちらを選択しますか?
僕は新品を選択しました。理由は簡単です。中古は、同様の症状が出る可能性があり、”結果として損をするかもしれない”と考えたからです。価格差も数千円ですしね。
購入した新品パーツがこちら↓。
新旧比較
画像ではわかりにくいですが、色合いや質感は若干違います。
破損部品を取り除くと、普通に稼働します。もしかしたら、破損部品さえ取り除けば、新品に替える必要はないのかもしれません。
アウターハンドルの交換方法を解説します
まずは、作業をしやすくするために、ウインドウを下げておきます。また、内張りの中に電気配線があるので、安全のために車のキーも抜いておいてください。
インナーハンドルを外す
アウターハンドル交換の難関が、インナーハンドル(内側の取っ手)を外すこと。難関が最初にやってきます。通常は、ここで諦めて、ディーラーなどにお願いするのではないでしょうか。
インナーハンドルの外し方は、色々とあるとは思いますが、僕は差し金(直角モノサシ)を使いました。ちなみにマイナスドライバーを使う人も。
作業前に、インナーハンドルの構造をチェックしてください。
上記の画像のようにピンで固定されています。このピンを差し金を使って外します。
差し金をスキマにさし込み、下方向に動かします。すると、ピンが外れてくれます。この際、しっかりと差し金がピンに力がかかるように動かしてください。差し金がピンに当たっていないと外れませんよ。
外れたあとは、ピンを無くさずに保管してください。
内張りを外す
次に内張りを外します。
内張り外し作業は、スライドドアが開いている方がしやすいです。
再度、ピンを付けていないインナーハンドルを差し込めば、ドアを開けることができます。
内張りは、下の画像のように、10箇所のクリップで固定されています。画像の位置を確認しながら、少しずつ力をかけて、外してください。通常、指を内張りの間に入れていくと、簡単に引っこ抜けます。
クリップが抜けたあとは、内張りは、上に動かせば外れます。
でも、ここで注意。ウインドウ開閉ボタンのコネクターを外す必要があります。
下の画像で書いているように、矢印の箇所を爪で押しながら、コネクタを引き抜いてください。そうすれば、外れます。
コネクターを外せば、内張りは外せます。
クリップが車体側に付いたままになることがありますが、クリップを引っ張って外して、内張り側に取り付けてください。ニッパーやハサミを使って、軽くコジると簡単に外れます。
ドアロックピンは、回すと簡単に外れます。邪魔なようなら、外しましょう。
アウターハンドルを外す
内張りを外すと、アウターハンドルをやっと外せます。
まずは、外したアウターハンドルの裏側を見てください。アウターハンドルは、2箇所のボルトで固定されています
内張りを外すと、黄色の防水カバーがついています。赤丸の箇所しか作業をしないので、その周辺のみの防水カバーをハガします。
そして、アウターハンドルの固定ナットを外すため、作業スペースを確保します。下の画像の上の3箇所の六角ボルト(10ミリ)と下の2箇所のプラス・ネジを取り外します。
実際のところ、上記の5個のボルト・ネジを外しても、十分な作業スペースは確保できません。狭いスペースでの作業になりますので、大変です。
固定ナットをあやまって落とすと、大変なことになります。僕は、タオルを下に入れて、ナットが落ちた場合の対策を取りました。
アウターハンドルの2箇所のナットを外したあとは、ワイヤーも外します。
ワイヤーの赤い箇所を手前に引き抜きます。あとは先端の引っ掛かりを外せばOK!
ワイヤーは見失わないように、どこかに引っ掛けておきましょう。
外すと案の定、汚れていました。
新品のアウターハンドルを取り付ける
新品のアウターハンドルですが、取り付けは、下のナットから取り付けます。仮止めなので、外れない程度でOK。そして、上のナットを取り付け、下のナットの本締め。
ワイヤーは、先端から引っ掛け、赤い部分を押し込みます。
次に、作業スペース確保のために外した5個のボルト・ネジを取り付けます。
おそらく、ドアロックピンが下に落ちていると思いますので、まず、それを元の位置に戻します。
そして、下の2個のネジを先に固定します。その後、上の3個のボルトを固定します。
内張りを元に戻す
内張りを取り付ける際の注意点は3つ。
- 固定クリップがすべて内張り側についている
- ウインドウ開閉ボタンのコネクターを忘れずにつける
- 防水カバーの「くり抜き穴」に固定クリップを通す
まず、固定クリップをすべて内張り側に取り付けます。
忘れがちなのが、”防水カバーの「くり抜き穴」のこと”。
黄色い防水カバーには、下の画像の赤丸の位置は、「くり抜き穴」があり、固定クリップを通す必要があります。忘れないように意識して、クリップを押し込んでください。防水カバーは重要ですよ。
内張りの取り付けは、まず上部を引っ掛けることから始めます。そして、横からクリップを押し込みます。防水カバーの件を忘れずに。
そして、終了です。
最後にスライドドアとウインドウの開閉チェックを忘れずに。